2026/10/29

【No.153】生成AI時代、禁止することのリスクを考える

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

---「今回の会話のポイント」---
生成AIの活用が広がる一方、近頃では情報漏洩への懸念や仕事を奪われる不安から、利用に慎重な企業も少なからず存在します。しかし、米国の大手ソフトウェア企業では、社員の自主性を尊重し、安全に新技術を活用できる環境づくりが進められているようです。生成AI時代には、規制や禁止を優先するのではなく、リスクを管理しながら社員の挑戦を後押しする経営姿勢が求められるのではないでしょうか。
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―― 社員のIT利用は、どこまで自由でよいのか ――

かわもと部長
先日、面白い話を聞きました。米国の大手ソフトウェア企業では、社員が使うパソコンやソフトウェアについて、会社が細かく制限せず、かなり個人の判断に任せていると・・・。
真弓課長
世界的な大企業がセキュリティを社員任せにしているとは思えませんが、興味深い話ですね。
MA
その話には、米国企業のIT活用に対する考え方の一端が表れていると思う。ただし、何でも自由に使えるという意味ではなく、社員が場所や端末に過度に縛られずに働ける環境づくりを進める一方、本人確認やアクセス権限、端末の安全性などは厳格に管理しているからだね。
かわもと部長
社員の自由度を高めながら、セキュリティはシステム側で確保するわけですね。
MA
重要なのは、セキュリティの強化と社員の自由度を高めることは、必ずしも矛盾しないという点だと思う。
真弓課長
ふーん、なるほど、生成AIの利用についても同じ考え方なのでしょうか。
MA
基本的にはそうだろうね。社員を信頼する。ただし、その仕事はしっかり見るという発想だから。
でも、日本企業では、情報漏洩やトラブルを避けるために、まず利用を禁止したり、厳しい承認手続きを設けたりするケースが少なくないね。
真弓課長
現場でも、新しいツールを使いたくても承認に時間がかかり、結局使わなくなることがあります。
MA
そこが問題なんだね。生成AIの場合、会社が禁止しても、社員が個人的に外部のAIサービスを利用する可能性がある。禁止するだけでは、必ずしも安全性を確保できない。むしろ、安全に利用できる環境を会社が用意することが重要だと思う。
かわもと部長
日本では、何か問題が起きると責任を問われますから、どうしても慎重になりますね。
MA
ここで考えたいのは、何のためのセキュリティなのかということ。
情報を守るために社員を縛るのか。それとも、社員の可能性を広げるために情報を守るのか。同じセキュリティ対策でも、目的の置き方によって企業の姿勢は大きく変わると思う。
真弓課長
安全性を確保すること自体が目的になってしまうと、本来の業務改革が進まなくなりますね。
MA
そうだね。特に生成AIのように進化の速い技術では、使わないことによる機会損失も考えなければいけない。

―― AIに仕事を奪われるという不安 ――

真弓課長
ただ、生成AIの場合はセキュリティだけが問題ではありません。
AIによって自分たちの仕事がなくなるのではないかと心配する社員もいます。
かわもと部長
営業資料や提案書の作成もAIでできるようになりました。今まで時間をかけていた仕事が、短時間で終わってしまいます。
MA
その不安は理解できるね。実際、AIによって縮小する仕事や、必要とされる能力が変わる仕事は出てくるだろう。ただし、AIが仕事の一部を代替することと、人間の仕事がすべてなくなることは同じではない。
例えば、営業資料の作成をAIが支援できても、顧客の課題を理解し、信頼関係を築き、最適な提案を判断するのは人間の重要な役割として変わらない。
真弓課長
そうですね。AIに仕事を奪われることを恐れてAIを使わない企業ほど、AIを使いこなす企業との競争に負け、結果として仕事を失う可能性があるかもしれないということか。
かわもと部長
AIを使わないことで今の仕事を守っているつもりが、企業そのものの競争力を失うかもしれないわけですね。
MA
そういうこと。AIによって仕事が変わることを恐れるだけでなく、AIを使わないことで何を失うのかという視点が必要だと思う。
真弓課長
そう考えると、社員の間でもAIを使える人と使えない人の差が生まれてきそうですね。
MA
そこが重要だね。生成AIを使いこなせる社員は、短時間で情報を収集し、分析し、企画を立案できるようになる。一方、AIを使う機会を与えられない社員は、こうした能力を身につけることができない。
つまり、会社がAIの利用を制限することは、社員の成長機会を制限することにもつながる。
真弓課長
生成AIの導入は、単なる業務効率化ではなく、社員の能力をどう伸ばすかという、人材育成そのものの問題になってきているということか。。。
かわもと部長
経営者がAIをどう捉えるかが重要ですね。
MA
AIを人員削減の道具と考えるのか、社員の能力を高め、新しい仕事を生み出す道具と考えるのか。その違いは企業の将来に大きな影響を与えるはずだよ。
真弓課長
ただ、中小企業では大企業のような高度なセキュリティ管理を導入するのは難しいと思いますけど。
MA
全く同じ仕組みを導入する必要はないんじゃないかな。
例えば、会社として利用を認める生成AIサービスを決め、顧客情報や機密情報を入力しないなどの基本的なルールを設ける。そのうえで、社員が自由に試せる機会をつくればいいと思う。
かわもと部長
社員が実際に使い、どんな業務に役立つのかを共有することも大切ですね。
MA
そう、小さな成功体験を積み重ねることが、生成AIの活用を広げる第一歩になると思う。特に人材不足が深刻な地方(秋田とか)の中小企業では、AIを活用して一人ひとりの社員の能力を高めることが重要になる。
真弓課長
AIを使って新しい仕事に挑戦できる。そんな職場にしていきたいですね。
MA
そのためには、経営者が社員を信頼して可能性を引き出す機会をつくることと、信頼を担保する仕組みづくりも必要だね。生成AI時代のDXは、これまで以上に、経営者の意識改革が問われているのだと思う。

---編集後記---

真弓課長
今回の議論で改めて考えさせられたのは、セキュリティと新しい技術への挑戦をどう両立させるかということです。私自身、システムに関わる立場として、どうしても安全性やリスクを優先してしまいます。
しかし、問題を起こさないことばかりを考えていては、新しい技術を活用する機会を失ってしまうかもしれません。

AIに仕事を奪われることを心配するより、AIと一緒にどんな新しい仕事ができるのか。私も、そんな前向きな視点で生成AIと向き合っていきたいと思います。

営業スタッフ徒然草

美味しいお米をこれからも食べたいです

みなさんこんにちは。
エイデイケイ富士システムの藤岡です。

10月も残りわずかとなり、あっという間に今年も残すところあと2か月となりました。
社会人になってから(2年目です)時間が過ぎるのが早く感じられ、少し寂しさを覚える今日この頃です。

さて、稲刈りシーズンもひと段落し、全国の食卓では新米を味わう季節となりました。
秋田のお米といえば、やはり「あきたこまち」ですよね。2023年に本格デビューの「サキホコレ」も人気です。 新米といえば炊き立てのツヤと香り、そして食べた時の甘みや旨味が最高です。

農業にはたくさんの分野があり、それぞれに課題を抱えていますが、今回は全国の食卓に欠かせない「稲作」に注目し、考えてみたいと思います。


■米農家が抱えている課題とは
「人手不足・高齢化」「生産コストの上昇」「気候変動」などが挙げられます。
中でも、人手不足や物価高によるコスト増加、猛暑や豪雨といった異常気象は、農業に限らずさまざまな分野で共通する課題となっています。
つい最近も、10月にもかかわらず大阪では最高気温30度を記録したり、千葉や秋田などで記録的な豪雨による浸水被害が発生するなどの異常気象がありました。



■近年注目される「スマート農業」とは?
米農家さんの間でも、課題の解決策としてスマート農業の実証実験がずいぶん前からされており、実際の現場で活用されるケースも増えてきているようです。
ところで皆さんは、「スマート農業」とは何か知っていますか?
スマート農業と聞くと「難しそう」「専門的でよくわからない」と思う人がいるかもしれないですが、実際はAIやドローン、センサーなどのデジタル技術を活用し、農作業を効率的で働きやすいものにする取り組みです。

私の両親や祖父母も稲作を行っており、田植えや稲刈りの時期になると手伝いに行くことがあります。
作業量が多く、毎回次の日筋肉痛になってしまい、その大変さを感じています。

稲作は田植えや稲刈りだけでなく、田んぼの水管理や農薬を散布したりなど多くの作業が必要です。
農家の方々が広い田んぼでこうした作業をしたり、時には夏の厳しい暑さの中でも作業していると思うと頭が上がりません。
しかし、スマート農業が普及することで、農家一人ひとりの負担が徐々に減っていくのではないでしょうか。



■スマート農業ってどのようなものがあるの?
スマート農業にはさまざまな技術がありますが、私が特に興味が湧いた2つを紹介します。

①水管理システム
田んぼの水温や水位をセンサーで測定し、スマホなどで確認や遠隔操作が行えるシステムです。
稲作では、毎日田んぼを見回ったり、水門の開閉を行ったりするなど、多くの時間と労力がかかります。特に管理する田んぼの数が多いと、その負担はさらに大きくなります。
しかし、この水管理システムを活用することで、田んぼの見回りの回数が減り、作業時間の短縮や農家への負担を減らすことに繋がる可能性があります。

②ドローン
田んぼの上をドローンが飛んで、農薬を散布しているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
農薬や殺虫剤などの散布にドローンを使うことで作業時間を減らし、夏の炎天下の中での負担が大きく減らすことができます。ドローンを使うまでの初期費用が高くなってしまう場合もありますが、地域で共同利用をすることで、従事者個々の費用負担を抑えながら利用している事例もあるようです。



■スマート農業が進むことによって
今回紹介した「水管理システム」や「ドローン」のほかにも、さまざまなアシスト機能を備えたロボットトラクターや田植え機など、たくさんの技術・製品・サービスが誕生し、活用されています。
しかし、「導入コストが高い」「使いこなすまでに時間がかかる」・・・など、まだまだ課題もあります。 使い慣れていない機械だったり、システムに慣れていない方にとっては、スマート技術の導入に対して不安や抵抗があるかもしれません。

それでも、人手不足や高齢化、気候変動などの課題がある中で、これらの技術は農家さんの一人ひとりの支えになるのではないかと思います。
負担が減ることで、「自分もやってみようかな」「祖父母や両親の後を継いでみようかな」と考える人が増え、農業にチャレンジしやすい・働きやすい環境に、少しずつなってほしいと思います。

そしてなにより、いつまでも美味しいお米を食べ続けたいです。


<DXに関するお問い合わせ>
エイデイケイ富士システム株式会社
DXセンター DX担当まで
Email:dx-lab@adf.co.jp

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社

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