2022/07/21

【No.45】あきたDX通信 2022年7月 夏・特別号

編集長 伊嶋謙二

あきたDX通信の購読者のみなさま、現在の今は、いつにもまして特殊な要因が重なって、特別な夏(秋田はまだ梅雨明けしていないようですが)となっております。この原稿は秋田のホテルで書いていますが、昨夜の雨とは打って変わって、さわやかな晴天となっていますが、まだまだ変わりやすい天気という予想がでているようです。

それにしても政治、経済の動きはあまり好転していません。特に今年になってからはウクライナをめぐるロシアによる武力攻撃による国際環境の悪化、そしてコロナの収束が見えない不穏な国内環境、参院選挙時での要人の狙撃など、とても目まぐるしく我々の取り巻く環境は変化しております。特に良くないような方向へ。

こんな中でも、我々あきたDX通信編集部では、読者の皆様に役立つ、ITやDXなどが企業経営、お仕事に役立つ情報を愚直にお届けし続けてまいりたく思いますので、どうぞ今後もよろしくお願いします。

さて今号は、前回も触れましたが、ユーザー企業の皆様や関係者に伴走する、サポートしながら進むことについて書きましたが、今回も関連した内容で、以前編集長が書いた原稿を再掲する形で掲載したいと思います。この記事は主に、ユーザー企業様に向かうIT企業、主に当社に向けて書いています。

読者の皆様、これからどんどん暑くなってきますが、どうぞお体には留意しながらお仕事頑張って頂けたら幸いです。

「あなたに任せます」が極めて重要なビジネス戦略

人間が介在する営業・提案ではなくて、Webの仕組みを使って一気にオートマチックにビジネスを展開しようと考えるベンダー(IT企業)がしばしば失敗しているのは、こうしたユーザー企業(中小企業)へのコンピューター販売のキモを理解していないためだ。つまり、コンピューターやクラウドサービスの販売については、特効薬や一発逆転の妙策はなく、地道に企業の社長や担当の方に提案することが何より重要であるということなのだ。

さらに言うなら、中小企業はそれぞれ専門の部署があるわけではないために、一人の担当が兼任して、情報システム、人事、総務などを掛け持ちしていることが多い。

パソコンのハードやソフトなどのIT関連。業務系では会計や人事などの業務処理関連。さらにシステムとしては管理部門だけでなく営業や工場などの現場の伝票処理、または現場に関する顧客管理など。総務的な面では電話回線、その他の通信機器、複写機などの事務機器など。

上記のように一人で、非常に多くの社内部門業務にかかわっている可能性がある。多くの部門ごとに対応するための外部発注処理や提案などについて、それぞれ別の業者に委託するだけでも相当な負担となる。

つまり、一人で何社もの業者に発注管理するというのは大変なので、外部の発注業者を特定の1社に絞るという可能性が大いにある。いわゆる「ワンストップ営業」の存在だ。一人で企業の様々な処理を受け持つ担当にとって、先に挙げた社内の各種の外部発注作業を特定の1社にお願いできることは相当に助かる。

その前提としては、信頼と、安心・実績が必要になる。特定のベンダー製品に偏るのではなく、特定の販売店=コンサルティング=出入りの業者になってもらう。ここでいろんなベンダーの製品やサービスを選んでもらい、提供してもらう、ワンストップの窓口であることが望ましい形になる。

ワンストップ担当というのは、デジタルな仕組みで実現できるものではない。取引を通じての地道な実績の延長線にしかない。目の前の金額が高いか安いかということではなく、真に企業にとって頼れる存在になるかどうかが問われている。選ばれれば、確実なパートナー関係となって安定して長い付き合いとなる。そのような中小企業が多く構築できることは、現在のようなストック型ビジネスの典型となっているクラウドサービスでは何より重要なビジネス基盤といえる。

「地道にユーザー企業に向かい合うしかない、そしてすぐに効果を発揮するようなITやDXという万能の特効薬はない」という本質を理解したうえで、クラウド導入やDX構築について、中小企業もベンダーも考えてみてはどうだろう?

つまりは、ITでもDXでも、どんなユーザー企業に対しても、真摯な提案と対応で、ユーザー企業から、あなたに任せたいと思えるようなIT提案企業となって、両者の良い関係になることが重要かな、と原点回帰の締めとなる。

では次号8月では先週終了した第3回秋田県内の企業におけるICT導入実態と景況感に関する調査結果の速報もお送りする予定です。
ご期待ください。

MaaSについて

皆さんこんにちは。ADK富士システム営業の信太です。
営業担当持ち回りでの情報ご提供を始めて、早くも三周目に突入しました。
今回は、「MaaS」について書きたいと思います。
 
【MaaS】
みなさんご存じとは思いますが、「MaaS」とは(Mobility as a Service)の略で、バス、電車、タクシーなどの公共交通機関を、ITを用いて結びつけ便利に使えるようにするシステムです。
日本では、国土交通省が関係府省庁と連携しMaaSの普及に取り組んでおり、交通事業者のキャッシュレス化や交通情報のデータ化などについて、財政および、ノウハウ面で支援し、MaaSによる移動の利便性向上を進めています

MaaSを世界でいち早く取り入れた国は北欧のフィンランドだそうです
フィンランドがMaaSを始めた背景は、

① 都市圏の交通渋滞への対応
② 環境汚染の深刻化
③ 高齢化の交通移動手段の確保
④ 都市圏の人口増加に対応するために公共交通への体系移行
⑤ 移動手段の約80%が自家用車


などのようですが、いずれも日本へも当てはまるものです。(⑤は都会の人には当てはまらないかも・・・。)
それに加え、フィンランドには自家用車メーカーが無く、車を購入するたび国外にお金が出ていってしまうため、MaaS事業を国が支援し、自家用車よりも便利に公共交通機関を利用できるようにすることで、国民のお金の使い道を国外の自家用車メーカーから国内の交通事業者へ転換させることを目指した国策とのことです。これは自動車大国の日本には無い背景ですね。

MaaSには以下の5段階があり、
 レベル0:統合なしで単体のバラバラのサービスの段階
 レベル1:情報の統合による複数交通モードの検索や運賃情報の段階
 レベル2:複数の交通モードのルートを単一トリップ化(検索、予約、決済まで)
 レベル3:複数の交通サービスを定額制で提供/パッケージ化して提供
 レベル4:まちづくりとの連携、交通制御等による人・モノのコントロール

現在、日本は「レベル1」の経路検索レベルであり、フィンランドに追いつくにはまだまだ時間がかかりそうです。


【MaaS関連データ】
① MaaSの提供に不可欠なデータ(静的データ、動的データ及び予約・決済データ)
② MaaSの提供によって生じる移動関連データ
③ MaaSと連携するデータ(生活・観光サービス関連データ、都市・交通インフラ関連データ等)

昨年、GTFS-JP「標準的なバス情報フォーマット」というものに少しだけ触れる機会がありました。
これは上記①の静的データになりますが、事業者情報・停留所情報・経路情報・ダイヤ情報・運賃情報など17のCSVファイルで構成されているもので、MaaSを実現するために、まずはこれらを整備していくことから始まります。一度整備しても、ダイヤ改正や路線変更などが発生した場合にメンテナンスしていく必要がある為、大変な作業になりそうです。

また、先日、某キャリアさんで通信障害がありましたが、MaaSが確立された社会になったときに同様な通信障害が発生した場合などの課題も解決していかなければならないですね。私生活アナログ君な私はあまり影響受けないかな?(笑)

便利な世の中になるのは良いことなので、課題をクリアして日本版MaaSを実現したいですね。

 弊社では様々なハードウェアやソフトウェアから、DX関連についてもご相談を承っております。お困りごと、疑問などございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。私生活からデジタル君な社員が対応いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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 TEL:018-838-1173
 Email: dx-lab@adf.co.jp

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