2022/10/27

【No.52】DXはDとXに分かれるって、本当?

※MA:マーケティングアドバイザー いがらし部長:営業部の責任者
 真弓課長:弊社のやり手マネージャー兼SE

MA
今月のDX講演会はお疲れ様でしたー。最近の中では、特に充実感あったよね。
真弓課長
そうでしたねー、本当にお疲れ様でした!
久しぶりに緊張してしまいました。大物の先生だったので、どうなることやらと思ってましたが、とっても実際的で、中小企業におけるDXのあり方が明示されてましたね。
いがらし部長
自分は、市外で仕事だったので、リアルタイムで会場にいられなくて残念だったけど、Web動画で見ました。いやー、良かったですね。なんか多くのDXって、講演会でも、セミナーでも「どこの目線」なのか、どこを目指しているのが、ぼやけているか、技術に寄りすぎていて、身近な感じが薄いのが多い中で、まさに白眉の内容だったなあ。
MA
そうなんだよね、講演の評価も、最近では珍しく、ほとんがとても参考になったということは、勿論だし、また講演を同じ内容でいいので、今度はリアル会場で、長い時間やってほしいという声があったくらい。他の人にも聞かせてあげたいということだった。ということは、世の中のDX勉強会的なものが、良く分からないし、自分とは少し遠い存在に感じるような内容が多かったということなんだろうと。
今回は企画した側としてもうれしい。DXの身近な感じが伝わるようで、こうありたいと思う中小企業でのDXスタンダードが見えた感じだね。
真弓課長
特に私も強く残っているのが、DXはすべての人が目指さなくていいというところですね。弊社の顧客にDXを伝える際に、一番ピンとくる説明かなと思いました。
いがらし部長
DXをD人材とX人材に分けて考えるというところだね。
MA
やっぱりそうだよね。

** 10月に実施した秋田RPA協会のDX講演会 **

「中小企業のDX戦略~地方創生に向けた様々な取り組み~」
2022年10月13日(木) 13:15 ~ 15:00 秋田キャッスルホテル(入場無料) 
基調講演:クラウドサービス推進機構代表理事松島先生
『デジタル化は大企業の話であり、中小企業には関係ない、手が届かないと思っている中小企業経営者は少なくありません。しかしデジタル化は、規模にかかわらず、業種にかかわらず、すべての企業に恩恵をもたらします。そのためにすぐにでも取り組めるデジタル化が必須です。そしてそれを経営者が負担と感じないような環境つくりが求められます。地方のさまざまな機関、団体、リーダー企業が連携することによって、中小企業の経営者にデジタル化を実行する勇気を与えてくれます。今回のセミナーでは、その連携の必要性を踏まえて、特に秋田にとっての「地産地消のDX」をキーワードにご報告します。』

https://rpa-akita.jp/notice/arpa_20221013_dx-seminar/

MA
講演会のフィードバックは、講演後すぐにグラフィックレコーダーで作成して、参加者に渡したので、皆さん喜んでましたね。うまくまとめてあるからね。
真弓課長
いつも感じるんですけど、このグラフィックレコーダーすごいですよね。
講演会が終わって1時間もしないうちに、講演会の要点をまとめて、グラフィックで作成して、参加者にフィードバックするという今風の議事録ですよね。この2枚を見ると、さらに頭が整理されてきます。これからどのように弊社の顧客に提案するかの助けになりますね。むしろこのままこういう会議やセミナーのフィードバックの仕方そのものを提案したいくらいですね。
MA
そうそう、まさにDXって、そういう技術を背景にした、誰に何を伝えるかという、方法論だったりするんだよね。
そこはツールとかスキルではなく、工夫する、考えることだったりするんだよ。DXは技術だ、なんてそっちを優先すると、訳わかんなくなる人続出するし、言ってる当人も、何を伝えたいかあいまいになるしね。
いがらし部長
それにしても、DXを DとXを分けるという指摘は初めてだったな。
MA
この講演会では、いくつかのキーワードをあげていたね。その中でも、もっともピンときたのが、「DX」は全部が一斉にDXとして切り替わるわけじゃない。DとXを分けて考えることが重要。つまり、D=デジタル、これは社員全員にあたる。X=トランスフォーメーション、変革、ここはリーダーだったりトップであるような、X人材、この二つを分けて考えることが重要だ。多くがDXと一緒に考えるから、収拾が付かなくなる。という指摘だった

「講演会のサマリー、グラフィックレコーダー1」

「講演会のサマリー、グラフィックレコーダー2」

人手不足は人手で補ってはいけない

MA
松島先生の講演の内容は、秋田RPA協会のWebで公開しているので、提案先の皆さんにはこのリンク先を教えて、後でじっくり見て頂ければと思うけど、なかでも重要なポイントとなる指摘を実際のスライドで説明するね。
真弓課長
このスライドで指摘している中小企業での課題、3点すごく思い当たります。
いがらし部長
会社の継続や事業承継というのは、中小企業の大きな課題であると思ってますが、それは人材不足だ、それは中小企業なので、資金とかが少ないために、が大きな課題となっていると思ってました。
MA
いや、それは間違ってはいないけれど、企業規模に関わらず、事業承継や事業拡大などの展開するにあたって、前人や慣習や実績をそのまま踏襲、継承するだけでは、いけないという指摘だよね。そこは企業規模に関わらずということ。
真弓課長
このスライドの2つ目のポイントで「人で不足を人手で補ってはいけない」という指摘ですね。
やたらに生産性向上のためとかのスローガンはあっても、生産性向上の指標が、分母を小さくすることで、生産性を高めるという発想になっている。そうじゃなくて分子を大きくする、同じ投資効果で大きな成果を得られるようにすること、それがDXだということですね。
MA
そうだね。その発想こそが、DXとしての第一歩ということなんだよね。つまり企業規模は関係ない。
むしろ小規模の企業の方が、機敏に動けるはずなので、X人材というか、事業をデザインするリーダーであったり、経営トップの存在が重要になるということなんだよ。
いがらし部長
なんだかんだ言っても、デジタル化という現実は、企業規模に関係なく、ほぼどこの企業でもITは活用している状態であるのは、秋田RPA協会の調査結果でも分かりますよね。
その状態から一歩踏み出すためには、X人材をどう見るか、育てるのか、そこに企業が気が付くか付かないか、そのあたりですかね?
MA
そのために、我々が身をもってDXを体現して、秋田県内の企業や地域社会に提案する、いわばDXの道先案内人としてガイドするということがミッションになるはず。松島先生も「地域未来牽引企業」がその適任者だと言ってたはずだし。
真弓課長
うぅ、まさに弊社はDX認定事業者も地域未来牽引企業の両方だったりして。
MA
問題は、そういう肩書はどうでもよくて、我々自身がこの変革を自社で実践しながら、いかにして社会に還元していくか、そして還元された社会が潤い、感謝され、最終的には我々のビジネスが成長する、これがDXの醍醐味かなー、ははは、頑張れるよね!
いがらし部長、真弓課長
も、もちろんですー。

「松島先生の講演会資料の一部」

スポーツ分野でのICT活用

初めまして。エイデイケイ富士システムの大塚 隆史です。

現在は秋田ノーザンブレッツに所属しラグビーをやりながら仕事をやっています。
最近では8月にミニ国体があり秋田のメンバーとして参加し、無事に国体の切符を手にすることができました。
国体には怪我で参加できなかったですが、すでに来年の鹿児島国体を見据えています。
現在はシーズン中でまさかの全敗で折り返し地点を迎えましたが、残り半分は怪我から復帰し出場する予定です。今後ともよろしくお願いします。

さて、今回はスポーツ分野でのICT利活用について取り上げます。
2019年のラグビーワールドカップで日本代表が初のベスト8進出という快挙を遂げたことは皆様もご存じのことと思います。実は日本代表の活躍の背景には、トラッキングデバイスを使った選手データの収集と分析がありました。

選手たちはトレーニングの際、GPSや加速度センサーなどを備えたトラッキングデバイスを身に着け、デバイスから得られるデータを収集・分析してトレーニングの改善に役立てています
例えば一定以上の加速度(2.5m/s2)を「高強度加速度」と定義して、この「高強度加速度」が1分間当たり何回出ているか、全体の速度変化の中で何%出ているかを分析して選手一人ひとりの動きをチェックしているのです。そして「高強度加速度」の回数を上げるトレーニングを積むことで選手のパフォーマンスを向上させています。
2019年当時、「高強度加速度」の回数は1試合平均150〜200回でしたが、これは3~4年前の倍近くの回数になるそうです。

では、このような選手のデータ収集に用いられるトラッキングデバイスとはどんなものでしょうか。
これは消しゴム程度の大きさのデバイスで、選手の背中や腰に装着されます。多くの場合デバイスを取り付けるためのポケットがついた専用のアンダーウェアを使用します。デバイスにはGPSや加速度・地磁気・心拍センサーなどが内蔵されていて、選手の運動やバイタルを測定します。また、これらのデバイスには専用のデータ収集・分析ツールが用意されており、選手のバイタルや運動量・運動強度を「見える化」することが出来ます

 集められたデータはトレーニングの負荷調整やポジションごとのトレーニングプランの作成などに生かされ選手のパフォーマンス向上や怪我の減少といった効果が出ています。流通経済大学がトラッキングデバイスを用いて行った、大学男子サッカー選手を対象にした研究(※1)でも、時間を短く、適切な強度でトレーニングを行うことが怪我の予防、パフォーマンスの改善の両面において効果的であることが示されています。

 従来、トラッキングデバイスは高価でプロチームでなければ使用することが出来ませんでした。しかし比較的安価な商品が登場したことや、準天頂衛星「みちびき」の登場によって精度が向上したことから、近年プロスポーツだけでなく学生スポーツでも利用が広がっています。

私自身もトラッキングデバイスを大学生のころに使ったこともあり、試合の後データが出るのを楽しみにしていた覚えがあります。特にラグビーは高強度なスポーツでタックルの回数や衝撃(加速度)、スプリントの回数・加速などのデータが重視されています。そのデータの結果「もっと走ってたやろ‼」と思ったり「全然スピード出てないやん!」と気づく事が出来たので次は今回よりも良いデータが取れるように準備していました。今思えばトラッキングデバイスを取り入れたことで(頑張る)→(結果が出る)→(もっと頑張る)というように好循環でなおかつ楽しかったと思います。

 こうして選手のトレーニングの負荷や試合のパフォーマンスが「見える化」されていくと、データの分析がこれまで以上に重要になります。大学ではプレーをせずにデータ分析を専門に行うアナリストが何人もいます。そして、その中には競技経験が全くない部員もいます。スポーツは学生時代にDXを体験し、学ぶ場にもなりつつあります。


最後に私が所属する秋田ノーザンブレッツを紹介します。
秋田ノーザンブレッツは各自いろいろな会社で働き、その後集まって練習をしており、現在はトップイーストAリーグに所属しているチームです。私たちは、トップレベルのチームを構築するとともに、ラグビーを通じた地域貢献を果たし、子供たちが憧れ、地域から愛されるチームを目指しています。

ちなみに・・・
秋田ノーザンブレッツの名前の由来は、秋田の地名と地理的な活動拠点を示す「ノーザン・北」を自分たちの誇りとし、東北を代表するラグビーチームを目指すという意味です。

「ブレッツ・弾丸」には3つの意味があります。

 1 闘争心を爆発させて放たれた弾丸のようにスピードとパワーにあふれ、迷いなく突き進む攻撃的なラグビーを目指 す。
 2 目標に向かって真っすぐに進む弾丸のようにいかなる時も、いかなる相手(困難)にも、全力を尽くし立ち向かっていく。
 3 頑丈かつ殻を突き破る力を持つ弾丸のような強固な意志と固い結束力で、歴史ある秋田のラグビーの魂を継承しつつ、これまでの殻を突き破る新たな取り組みにも挑戦しながら秋田ラグビーの飛躍を目指す。


〈試合日程〉
 11/6 Vs ヤクルト ヤクルトG
 11/13 Vs SECOM あきぎんスタジアム
 11/20 Vs  横河 あきぎんスタジアム
 12/3 Vs 東京ガス 東京ガスG

残り試合もあと4試合になりました。ぜひ会場まで足を運んでいただき応援よろしくお願いします。
詳しい情報はホームページまでお願いします。

秋田ノーザンブレッツホームページ  https://northern-bullets.com/

最後まで読んでいただきありがとうございました。

【参考文献】
・※1 ... 小粥智浩,大平正軌,曺貴裁,川本大輔,今泉壮裕,太田千尋,中野雄二,
大学男子サッカー選手におけるGPSを用いた身体的負荷管理に関する一考察, 2021-03

【参考URL】
・宙畑 「ラグビー日本代表大躍進の影の立役者!? 衛星データがスポーツをこんなに変えた!」
https://sorabatake.jp/12336/

・SPT 「ラグビーにおける5つの重要なGPSデータ」
 https://www.sportsperformancetracking.jp/post/spt_rugby_5gpsdata

・日経 xTECH 「データ駆使してケガ減らす、サッカーで証明「GPSデバイス」の価値」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00309/00003/

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 /// 主幹:鈴木守 /// エイデイケイ富士システム株式会社 DXセンター

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