2023/12/14

【No.81】調査から見えた変わった秋田、変わらない秋田

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

真弓課長
今回は調査結果の続きを話しましょうね。いやー、やっぱり調査っていいですねー(笑
かわもと部長
真弓課長も初めのほうから関わっていて経験を積んでいるせいか、この調査についてはなかなかの会得感がありますねー。
真弓課長
えーまあ、そうですね役得でもありますねー。
ではでは、川本部長は、この調査をサポートしていて最も楽しいこと、醍醐味だなーと思えることなんだと思いますか?
かわもと部長
えーなんだろう?うーん、秋田県の企業の実態を把握できることだよね。
真弓課長
まあ、それはそうだけど、自分が疑問に思っている県内の企業のDXやITに関することを質問票とかに盛り込める可能性もあったりするし、なにより誰よりも先にこの貴重な結果を知ることができるからなんです。
これはとても得難いなーと毎回思ってます!
MA
とても素直な感想でいいね。動機づけが正しいよね(笑
まあ、そんなわけで今日は特に気になっていた調査結果をみんなでレビューしよう。
調査結果はすでに秋田RPA協会のWebで公開しているので、その中での調査ポイントは次の8点だ。
MA
https://rpa-akita.jp/wp-content/uploads/2023/08/ictdx_no4_fin.pdf

 1.2023年の秋田県内の企業の景況感は若干上向き
 2.実際に利用しているのはコミュニケーションツールが過半数、
  進むクラウド利用へ
 3.今後の重要なビジネス課題はデジタル化とセキュリティ
 4.DXの認知率は8割を超える、取り組みも43.4%と大幅増
 5.DXは8割の企業が、デジタル化と教育で確実に進めていく
 6.IT人材は5割以上の企業が不足としている
 7.ChatGPTは約85%が知っているが、利用率は21%。半数は様子見
 8.ChatGPTを使うための社内ルールが定まっていない
MA
では、まず一番注目を集めている、ChatGPTについての結果を見てみようか。最近も開発元の企業のCEOの更迭とか解任とか大騒ぎしてたよね。それはともかく、秋田県内企業における活用実態としての回答、「ChatGPTを使ったことがある、21.3%」ということだけど、どう思う?
真弓課長
企業として回答してますので、出たばかりのChatGPTがすでに21.3%も使っているのか、というポジティブな印象ですね。メディアでもこの調査結果が取り上げられてましたが、自分はAIとしての利用率は結構いいかなと。
かわもと部長
認知率も約85%なので、高いですね。ただし今後は半数が様子見と答えているのが、本当はどうなっているのか分かっていないために慎重になっているという、むやみに飛びつくわけではないという風に見えました。
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
真弓課長
企業の景況感についても聞いてますよね。
「2023年の売上状況は、新型コロナウイルスやその後のウクライナ問題などの外部要因により、原材料高などの影響が依然として残っており、問題が完全に解消したわけではない。しかし、これらの影響を受けつつも、前年並みかわずかに向上した結果が示されている。」ということで、向上傾向が見られますよね
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
かわもと部長
そうだね、今後の見通しについても、3年後の見通し、についても、7割以上の企業が現状維持か好転する方向に向かうとしており、ようやく「先行きの見通しが明るくなっている。」と今後は好転するという結果だしね。
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
MA
注目すべき調査結果では、DXと人材についてだったね。特にDXについては「DXは、期待から実現へという過程に移行しつつあることが分かる。過去最高の約8割の企業が、何らかの形で今後DXを進めていく」と前向きな回答を示している。」という指摘だ。さらに「特に注目されるのは、DXの前段階としてのデジタル化およびDX人材の内部での育成など、実現可能な進め方を検討している点だ。」という分析コメントだね。
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
MA
また、DX人材の教育に対する前向きな態度を持つ企業が大幅に増加していることも目立つ結果だ。全体的なIT人材の不足感は前年と大きく変わっていないものの、企業内のIT人材の不足感は明確に高まっている。56%の企業が人材不足を抱えていると報告している。
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
MA
調査結果で良い方向に向かっていると思われるけれども、市場の流れでいえば、技術(シーズ)と活用(ニーズ)という混流を繰り返しているなと思うね。つまり、デジタル化の動きは確実に進んでいるが、DXやAIなどの新たな刺激があって、実は、OAからITへの変遷のなかで、活用という視点でみると必ずしも大きな進展はなかったようだ。逆に今のDXの動きが、今一度現状のITを見直すきっかけになった、という少し前のステージに戻ったということ、それは後退というよりも、ようやく現実を理解したという風に、前向きに見たほうが良いね。

「秋田のIT/DXの現状」

  • 出典:一般社団法人 秋田 RPA 協会
真弓課長
なるほど、今はChatGPTで盛り上がっているが、結局原点のIT/デジタルまで戻ることになる。つまりITのベースが出来ていなかった。やはり"それ"が大事だったと気が付いているのが、今ということですね。
かわもと部長
技術の進歩と活用の歩みはタイムラグがあるということですよね。結局、企業に役立つ、身近で役立つ、DXのX部分=道具をうまく使って、本業に生かすことが大事と気が付く。IT/デジタルへの原点回帰しているという風に思いますね。
MA
しかし、課題としては、IT人材の不足感が増加しているにもかかわらず、具体的な増員の明確な計画の方向が見えていないように思える。人材の確保時期や必要人数については、「分からない」と答える企業が未だに半数近くを占めているし、多くの企業が、IT/DXなどの有益なツールや仕組みを十分に利活用していないと読める。IT/DXの利用を促進するための提案や情報提供が不足している状況が、その進展を妨げる主要な要因となっているからだろうね。企業の活動を支えるためには、少なくとも企業に対する支援やサポート体制が不可欠なんだよね。
かわもと部長
そうかー、IT/DX人材の教育・育成・サポートは企業にとって重要な課題となっているし、この課題を克服することで、2023年以降にはChatGPTのような次世代AIを企業内で効果的に活用する機会が本格的に訪れるだろうということですね。
真弓課長
結局変わらない現状のITのリソースと人員をもつ企業がいるが、AI/DXなどの新たな革新の道具や仕組みを使うという良い流れが出来てきているため、人材やDXのノウハウ獲得などの課題を克服して行くことで上手く進める道筋が見えてきたということなんでしょうか?
MA
そうそう、そこを我々が先導をしなくてはね。
真弓課長
よし、頑張るぞー!(笑

営業メンバーによるお役立ち情報!

あきた芸術劇場ミルハスに行きDXを思う

このコラムをご覧下さりありがとうございます。営業の五十嵐です。
私に当番が回ってくるサイクルも半年に1回となってしまい、少し寂しい気もしているのですが、弊社のバラエティに富んだ営業担当からさまざまな情報発信ができるのはとても嬉しい事です。
約2週間に1度、このコラムにちょっとでも目を留めていただけると幸いです。

さて、今回は一応DXに絡めて話をしたいと思うのですが、そのまま話題にすると堅苦しい話になりそうですので、最近出かけたミルハスのイベントと絡めて書きたいと思います。
12月3日(日)、私の敬愛する元BOΦWYのギタリスト布袋寅泰氏のライブが、あきた芸術劇場ミルハスで行われました(大丈夫です。最後DXにつなげますので)。19年ぶりの秋田公演ということで(19年前も観に行きましたが)、「これは絶対に行かねば」と一般の先行予約抽選を気合で突破し、9列目で観ることができました。ミルハスも布袋さんも、いやぁ良かったです。最高に盛り上がりますので、皆様も是非布袋さんのライブに・・・おっと営業コラムから逸れるところでした。

勘の良い皆さんは、「どうせ電子チケットとか、その辺をDXに絡めて話そうとしているな・・・」と予想してますね?
ということで、ご期待に応えますが、そうです今回私が購入したのは電子チケットでした。紙チケットと電子チケットの両方に対応したコンサートで、入場時に電子と紙で並ぶ列が分けられたのですが、私の体感では、2:3位で電子チケット組が少ない状況だったと思います。
正直、電子チケットって、ちゃんと使えるか不安だったりもするものです。今回は、入場ゲートに設置されたカメラに、電子チケットアプリのQRコードをかざす方式だったのですが、その結果を目視チェックしている係員がいて、入場者一人一人に「はいOKです!」と声掛けして、OKと言われた人が通過しているという状況でした。
これは果たしてデジタル化による業務効率化ができているのだろうか・・・?などと、若干職業病的な感想を持ちながら入場したのですが、利用時の分かり易さなど、まだまだ課題もありそうです。

 さて、会場に入場し、今度は自分の席を探すことになるのですが、これは電子だろうが、紙チケットだろうが変わりません。よく見ると椅子の背もたれの上に小さく書かれている番号を見ながら、こっちか・・・いやあっちか・・・とウロウロ。広い会場で自分の席までナビゲーションしてくれるアプリがあれば便利だな・・・自分の席の近くに行ったら光って教えてくれないかな・・・などと思いながら、自分の席を無事発見し着席しました。

 思いのほかステージに近く、「よし!」と思っていたら、会場アナウンスが・・・ロビーでのツアーグッズ物販の案内でした。
 皆さんもご存じかもしれませんが、音楽の配信サービスの普及に伴い、コンサートでの物販収入に力を入れるアーティストが増えたという話を聞きます。Tシャツ、タオル、キーホルダーなど、昔からのおなじみのグッズをはじめ、昔とは比べ物にならないほどのクオリティの高さ、品揃えの多さ!私の場合、衝動買いで余計なものまで買ってしまうため、「いやいや、後からネット通販でも買える...」と思いとどまり、ライブの開始を静かに待つのでした。

 ・・・2時間弱の熱狂のライブが終わり、自宅に帰ると、今度はアーティスト公式SNSのチェックです。ファンとしては、果たして秋田公演がどうだったのか、アーティストの感想が気になるものです。結果、秋田公演は非常に盛り上がったと感じてもらえたようで、胸をなでおろしました。
とはいっても、他の会場を見たわけでもなく、ファンとしては他の会場より盛り上がったのかが気になります。定量的に盛り上がりが数値化されていれば比較もできるのですが、アーティストサイドに忖度してる可能性のあるコメントが今の所の判断基準でしかありません。歓声の大きさは分かり易いかもしれません。そこでちょっと思ったのですが、会場全体のうねり的なものを定点カメラで捉えてAIで分析すると、何となく盛り上がりの指標になりそうな気もします。盛り上がりの定量的な分析ができれば、マーケティング的な視点でコンサートの曲目や演出を選択できるようになるかもしれませんね。(既にされていたらすいません)

 ...と、ここまでデジタルに無理やりこじつけながら、ミルハスに行った記憶をたどり、デジタル化でもっと色々良くならないかな...といった文脈で書いてきましたが、現場で感じたちょっとした不満点、デジタル化をもう少し進められればな・・・といった感想はさておき、実際のところ音楽業界自体は、他の業界よりも早い段階でデジタル化の影響を受け、ビジネスモデルを変えてきた、いわゆるDXを実現している業界だとも感じています。
 転機になったのは、やはり楽曲の配信サービスの普及でしょう。CD売上が激減したことにより、レコード会社やアーティストの従来のパッケージビジネス的なモデルは大きな打撃をうけ、現在では、前述したリアル物販に加えネット通販を強化しているようです。また、ファンクラブ収入、有料動画配信収入など、サブスクリプション的な収益モデルにも注力しているアーティストも増えているように思います。
従来のパッケージ製品(CD、ブルーレイ等)は、コアなファン向けにプレミアム感満載な製品として差別化が図られており、かくいう私もプレミアム沼にはまって抜け出せないタイプだったりしますが、この辺はIT系のオンプレミスからクラウドサービスやサブスクリプションモデルへのシフトと似ているように感じます。
消費者へのアプローチも、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなど、マスメディアを通さず、消費者個人へ直接的にアプローチしやすい方法をとっていますよね。
この辺は若者のテレビ離れも要因でしょうか。
このように、改めて思い返すと、いつの間にか、音楽と情報の入手の仕方、接し方が非常に大きく変わってしまっていることに気づきます。
音楽業界の方々から見れば、外部(IT業界)からの変革の圧力を受けた形ではありますが、楽曲配信サービスの普及というデジタル革命に端を発し、ネットワークを始めとしたさまざまなデジタル基盤が整備されてきたことにより成し遂げられた、DXの実例なのだなとしみじみと思う今日この頃です。

 この音楽業界のように、外圧をきっかけとして、変革とまでは言えなくとも、変化する事を余儀なくされるケースが今後多くなるのではないかと考えています。
具体的には、自社の取引先の影響で、新たなデジタル化戦略を推進するケースなどです。大口の取引先の要求に応える必要がある・・・などございませんか?その他、10月から始まったインボイス制度、来年1月からの電帳法改正の影響など、今後もちょっとした変化が求められるケースはいくつも出てくると思います。
現在当社では、デジタル化やDXに関するご相談への対応を強化しており、業種・内容問わず、ご相談をお受けしております。ご相談は無料で承っておりますので、少しでもデジタル化、DXでお困りでしたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

・・・最後は露骨に宣伝になってしまいましたが、師走のお忙しい中、
ここまでお読み下さり誠にありがとうございます。
次回の営業コラムも是非お楽しみに。

<問い合わせ先>
エイデイケイ富士システム(株)
DXセンター DX担当まで
TEL:018-838-1173

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社

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