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2025/03/31
今号は、少し個人的な観点から、あきたDX通信2025年(会計年度)を迎えての編集長投稿としたい。なぜあきたDX通信を書いているのか、発行しているのか──その背景を、私自身の秋田との関わりを知ってもらうことで、読者の理解が深まるかもしれないと思い、なるべく隠さずに書かせていただく。
あきたDX通信は発刊から5年を迎え、この3月で一区切りとなる。この5年間の当社(エイデイケイ富士システム 以下ADF社)としての関わりの変遷と、ITやDXを取り巻く世の中の動きは非常に激しく、そして興味深い。
筆者が編集長を務めることになった経緯を振り返ると、大きく2つの流れが見えてくる。それは、コンピュータやIT業界を基軸とした「小さな歴史」でもある。
1. オンプレからクラウドへの移行
もっとも大きな変化は、オンプレミス(自社サーバー運用)からクラウドへの移行である。この流れはこの10年で顕著になった。パソコンなどのハードウェアに依存していた時代から、クラウドコンピューティングによるサービス利用型への転換が進んだ。
この流れが決定的となったのは2011年、NECがレノボと提携し、国産ベンダーが一気にハードウェア事業から手を引いた時期である。また、同年に発生した東日本大震災により、ローカルに依存したコンピューティングの脆弱性が明らかになり、クラウドの必要性が再認識された。
2. 働き方改革の胎動
もう一つの大きな変化は、2015年に働き方改革が本格的に動き出したことである。働く場所を固定する従来型のスタイルから、リモートワークや柔軟な働き方へのシフトが始まった。
筆者が総務省の「ふるさとテレワーク事業」で長野県松本市や神奈川県横須賀市において実証事業を行ったのが2015年であり、働き方改革の流れが加速した時期でもある。
秋田との10年前からの関わりを簡単な年表で振り返る。
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●2015年 ふるさとテレワーク事業(松本・横須賀で自分が実証事業を行う。秋田へ向かうきっかけにもなったイベント)
→ 総務省の実証事業としてリモートワークの可能性を検証。働き方改革の始動の時期。テレワークへの注目が高まった時期。
<参照>松本市でテレワークによる記帳代行業務の実証実験 | KaikeiZine
●2016年 ANIA秋田大会登壇
→ 秋田県情報産業協会との関係が始まるきっかけ。(主にADF社との緊密な関係を得るきっかけ)
●2017年 一般社団法人「創生する未来」設立
→ 地域支援を目的とした法人を設立。全国の地方都市への支援を始める。のちの秋田県での支援活動が本格化。
●2017年 中小企業のIT経営研究部会(仙北市)開催
→ 経済産業省や中小企業基盤整備機構と秋田県との橋渡しに。
●2018年 仙北インパクトチャレンジ開催
→ 秋田県を舞台に、産官学連携の新たな地域活性化イベントを実施。
●2019年 仙北インパクトチャレンジ第2回開催
→ 秋田発のモデルケースとして全国への波及を目指す。
<参照>ドローン、IoT、AI、ICT 秋田・仙北市に可能性を見出した先進メーカー -「第2回仙北インパクトチャレンジ」より(後編)
●2019年 秋田RPA協会設立
→ 県内企業の自動化・業務効率化を支援する団体を立ち上げ。
ADF社を中心に県内RPAをきっかけとする企業への経済活動を支援する民間企業を中心の団体を設立
●2019年 秋田県初の県内IT実態調査アドバイザー就任
→ 秋田県内企業のIT導入状況を調査し、課題を明確化。
●2020年 Semboku Complex設立(テレワーク対応コワーキングスペース)
→ 秋田県仙北市に柔軟な働き方を実現する拠点を設立。徳島県の神山地区の「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」に触発されたネーミングでその後のSemboku Workplexに引き継がれる。
●2020年 中小企業デジタル化応援隊事業
→ 新型コロナ禍における中小企業のデジタル化を支援。いわゆるコンサルティングなどの情報支援を行う補助金制度で、画期的な中小企業支援事業。
●2020年 秋田ワーケーション推進協会設立
→ 観光庁にも注目された民間主導の全国的に珍しい事例。
●2020年 ADF社のマーケティングアドバイザー就任
→ 秋田県内企業へのマーケティング支援が本格化。
●2020年 あきたDX通信発刊
→ DXに関する最新情報や事例を広く届けるメルマガとして始動。
その後100回記念のイベントや製本版作成など行う。
●2021年 Semboku Workplex設立
<参照>【OPEN】テレワーク&ワーケーションオフィス Semboku Workplex を仙北市に開設しました
●2021年 創生する未来秋田オフィス開設
→ 秋田県での活動を強化するために現地拠点を設立。
●2024年 秋田魁新報社で「あきたDX事始め」連載開始
→ DXをテーマに秋田県内向けに連載記事を執筆中(通算12回)。
●2025年
さてまもなく新年度が始まる。編集部は大いなる野望を持つ。
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あきたDX通信が目指しているのは、DXに関する最新の情報を読者に届けることにある。しかし、単に技術情報を提供するだけでなく、DXやITがビジネスや社会にどう影響を与えているのかを共に模索し、実践例を通じて理解を深めることが重要である。そして根底にあるのがマーケティングの信念である。
我々自身もDXは日々模索中であり、何が正解かは試行錯誤の上で見つけていくしかない。
これからもあきたDX通信を、秋田県内の企業や自治体にとって有益な情報源、そして読者と共にDXの本質を探る「場」として位置づけていきたい。
新年度を迎えるにあたり、あきたDX通信はさらに「マーケティングメディア」として成長していく所存である。
どうぞ皆さま、秋田をともに盛り上げていければ幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。
あきたDX通信 編集長 伊嶋謙二
みなさんこんにちは。エイデイケイ富士システム営業スタッフの渡辺です。
今回のテーマは、"マイナンバーカードの運転免許証利用"、通称「マイナ免許証」についてです。
●「マイナ免許証」の開始
3月24日から、マイナンバーカードを運転免許証として利用する仕組みが始まりました。
ちょっと前に「紙の保険証からマイナ保険証へ」という話題を耳にしたばかりで、もう免許証まで変わるのかと、驚きとともに焦りを感じています。
というのも、私はまだマイナンバーカードを持っておらず、「持たなければいけないけど、いまいち良さが分からない」と考えてしまっているからです。
そんな私の重い腰を上げるべく、今回はマイナ免許証の利用について書くことにしました。
●「マイナ免許証」の仕組み
まずは、「マイナ免許証」の仕組みについて。
仕組みといっても特殊なことではなく、マイナンバーカードのICチップの中へ、運転免許証のICチップが持つような免許情報(番号、有効期限、免許の種類、運転条件など)が記録されるようになります。
これだけでは、マイナ免許証も運転免許証も変わりがないように聞こえますが、大きな違いは「マイナ免許証は券面に免許情報が書かれていないこと」です。
免許情報はICチップの中ですので、マイナンバーカードだけ提示しても免許情報が分かりませんね。
これに関しては、警察庁が開発した専用アプリ、その名も「マイナ免許証読み取りアプリ」で読み取ることができます。マイナ免許証を持ったら、スマートフォンにも入れておいた方が良さそうです。
●「マイナ免許証」と従来の運転免許証
上でも触れた「マイナ保険証」の場合は、従来の紙の健康保険証が発行されなくなり、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行しています。 一方、マイナ免許証はというと、必ずしも今の運転免許証から移行する必要はなく、マイナ免許証を持つか否かは選べるようになります。
つまり、
1.運転免許証だけを持つ。(今まで通り。)
2.マイナ免許証だけを持つ。(運転免許証は返納。)
3.運転免許証とマイナ免許証の両方を持つ。
という、3通りの持ち方ができるようになります。
なんだか、「現金を持ち歩くか、キャッシュレス決済にするか」に似ていますね。 持ち方に自由度があり、私のように「困ったときのために現金も持っていないと不安」といった方にも、ありがたい仕組みだと思います。 ちなみに、最近ではキャッシュレス決済の方がポイント溜まったりしてお得な場面が多いため、私もコンビニや自販機などでスマホをかざしたりしています。
マイナ免許証にも、持ち方によってお得になる場面があるそうです。
●「マイナ免許証」の持ち方による良し悪し
下記は、「一般ドライバーで運転免許証のみ」と比べた場合の、各持ち方の特徴です。
【運転免許証とマイナ免許証の2枚持ち】
・免許更新時の手数料が+100円。
・更新時講習は、対面形式だけでなくオンライン形式で受講可能。オンラインの場合更新手数料が-500円。
・住所地以外でも運転免許証更新可能。
......カード2枚の更新のため手数料は上がりますが、オンラインで講習を受ければ結果的に下がりますね。
【マイナ免許証のみ】
・免許更新時の手数料が-750円。
・更新時講習は、対面形式だけでなくオンライン形式で受講可能。オンラインの場合更新手数料が-500円。
・住所地以外でも運転免許証更新可能。
・住所変更に関するワンストップサービスを利用可能。
・所持するカードがマイナンバーカード1枚に納まる。
・免許情報を提示するには専用アプリが必要。
・一部のレンタカー会社ではマイナ免許証非対応など、まだサービスが行き届いていない。
......免許更新費の安さもさることながら、いずれ引っ越しを考えている方には手続きの簡略化が魅力的ですね。ただし、業務でレンタカーを使用するかもしれない方には、注意が必要です。
こうしてみると、やはり免許更新での利便性向上が多くありますね。
私が特に興味を持ったのは「オンラインでの更新時講習」です。免許センターまで往復して受講するのに比べると、スマートフォンひとつあれば昼夜問わず受講できますので、拘束時間も費用も抑えられそうです。(受講中は顔を撮影し続けて、顔が画面から外れると動画が止まるそうなので、見方によっては拘束時間とも呼べるかもしれませんが。)
●今後の広がり
今回調べた中で気になったのが、「マイナ免許証読み取りアプリ」のパソコン版アプリについてです。 このアプリは、読み取った免許情報をCSVで保持し、100件まで保存しておけます。
例えば、仮に保存件数を増やすカスタマイズができれば、 打刻するようにマイナ免許証をかざして毎日の運行管理に利用できるかもしれません。
または、会社で業務運転する従業員の管理にも使えそうですし、 今後、マイナ免許証と自動車の情報を紐付けられ、自動車の保険加入情報などとも紐付けられれば、管理情報の更新も容易になりそうです。
私の方も、今回の執筆にあたり、マイナンバーカードを持ってみたいという意欲が高まってきました。 どのようなメリットを提供できるか、今後の動向を伺いつつ発信していきたいです。
<DXに関するお問合せ先>
エイデイケイ富士システム株式会社
DXセンター DX担当までお申し付けください。
TEL:018-838-1173
Email: dx-lab@adf.co.jp
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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社
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