2025/05/08

【No.116】秋田と首都圏と経済振興との三題噺はDXで進める

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

真弓課長
うちのご近所さんの国際教養大学(※)の記事見ましたか?

※公立大学法人 国際教養大学(AIU) | Akita International University
かわもと部長
あー、見た見た。へえー、って感じだね。プレスリリースも出ていたよ。

プレスリリース▼
秋田の学生を取り巻く交通環境の支援に着手!車内広告を活用した送迎サービス『ショーケースエクスプレス』を開始|PRTIMES
MA
それね、実はこの間ね、東京でこの責任者と話をする機会があったんだ。
かわもと部長
いやあ、世間は狭い(笑
MA
この会社は首都圏のIT企業で、実は代表者が秋田出身で、DX関連ビジネス的に秋田と関わりたいということで、知り合いのPR会社経由で紹介されて、会うことになったんだ。
真弓課長
じゃあ、早くこのサービスについて、教えてください。でもこれはDXなんですかね、あまりピンとこないですが。
MA
いろいろ気が付いたところがあって、我々にとっても参考になる点がいくつかあるんだよ。このサービスについて、聞いたところをまとめてみるね。

『秋田県郊外に位置する国際教養大学(AIU)は、国内外から優秀な学生を集めるグローバル型の公立大学である。しかしその立地は、地方交通の縮小とともに学生の生活を大きく制約する要因となっている。2025年春、AIUの最寄交通手段の一部が廃線となったことで、学生の通学や市街地への移動に新たな課題が生じた。そこで、この会社が通学バスを国際教養大学の学生に無料送迎のバスを提供するというサービスを、2025年4月から始めた』

MA
とまあ、ざっくりいうとこんな感じ。これを始めたのは、東京本社のIT企業・ショーケース社の子会社、Showcase Capital。実はこの取り組み、単なる無料バスサービスではないんだね。実際には、交通支援を通じて人と地域、企業をつなぐ、ちょっとした仕掛けがポイントだね。
真弓課長
ほう、ほう。
かわもと部長
このサービスについては地元のメディアでも紹介されてますね。今確認したんだけど、確かに微妙にDXの要素が絡んでる。
真弓課長
あー、なるほど。移動時間を情報空間に変えると言ってますね。DX的な要素でみるとマーケティング的には今風ですね。バスの利用の仕組みについてはばっちりDXライクな仕様ですね。
『車内に乗り込むと、学生の目に入るのは企業広告やプロモーション動画。通学の片道25分、スマホを眺めるだけの時間が、企業との出会いの場に変わる。しかもこのバス、乗車には同社が開発した本人確認システムを活用し、スマホで完結する。完全ペーパーレスで、学生にとっても運営側にとってもストレスフリー。すでにInstagramでは学生アンバサダーが発信を始め、フォロワーは約480人。SNSから生まれる共感やつながりを押し上げている。』となってますね。
MA
付け加えると、同社による学生へのインターンシップ機会の提供も面白い。学生には、在宅で対応可能なアルバイトを紹介。柔軟な働き方が可能なため、学業と無理なく両立できる点もポイントかな。そしてこの仕組みは、同社だけでなく、無料バスに協賛する他の企業にも展開されていく予定で、学生と企業の関係を、バスの中だけで終わらせないとしている点だね。
かわもと部長
地方の交通課題を、発想の転換でDXのサービスと連携させるということですね。
真弓課長
我々の事業所がある通称七曲地区(秋田市雄和)には、国際教養大学があって、学生には自然豊かで学びに適した環境ですが、市街地からのアクセスが決して便利とは言えないですね。公共交通の縮小も進み、学生と地域との物理的・心理的な距離は広がるってことは課題ですからね。
MA
そこで目を付けたのが「企業による学生向け無料バス」。もちろん、企業にとっては採用広報の一環という狙いもあるけど、地方の課題を単なるCSR=Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)で終わらせず、企業活動の一部として組み込む、そんな発想の柔らかさと実行力が、このサービスの特徴といえるね。
真弓課長
とはいえ、この取り組みがすぐに秋田へのUターン就職や地域定着に結びつくかというと、そう簡単ではないですよね。移動が便利になればなるほど、学生は県外にも気軽に目を向けることができます。利便性と地元定着、この二つのバランスはいつも悩ましい。
かわもと部長
でも一方で、秋田での暮らしや出会いが良い思い出になれば、たとえ就職は県外でも、観光、投資、あるいは未来の人材紹介といった、別の形で秋田との縁がつながっていくかもしれませんよね。
MA
そうだね、「DX=派手な新技術」と思いがちだけど、実は日常の中にある小さな再発見や再設計こそが、真のDXといえるんじゃないかな。
かわもと部長
なるほどね、固定的だった通学という行動に、新たな意味を与える。情報を届けたい人に、自然に届くルートをつくる。学びの傍らで、企業との接点や働く経験を得る。そしてそれが、地域に、企業に、学生に、少しずつ良い循環をもたらす、これが、今の時代にふさわしい「やさしいDX」のかたちではないかということですね。
真弓課長
地方の交通と学生、企業の採用と社会貢献。そのすべてを軽やかにつなぐ1台のバスが、秋田から静かに走り出していく、そんな感じのまとめですかね。ゴールデンウイーク終えたら、DXならではの、地域への身近なDXを我々もどんどん提供しつつ、さらに関連情報をお届けしましょう!

営業スタッフ徒然草

止まらないのが当たり前のシステム。万が一に備えて...

こんにちは。初投稿となります。齋藤です。
連休明けはどうしても頭がぼーっとしてしまいますが、皆さんは充実したお休みを過ごせたでしょうか。

私は今回のゴールデンウイーク、ありがたいことに長めの休みをいただきました。
その間、宮城の音楽フェスに行ったり、福島の水族館へ行ったり、妻の実家へ帰省したりと、あちこちを巡りながら楽しく過ごさせていただきました。

移動はすべて車だったため、当然、高速道路を利用することになります。
そのため、事前に道路状況などの情報をいろいろとチェックしていました。

その中で目に留まったのが、4月上旬に報道されていたETCの大規模障害のニュースでした。

このトラブルが発生したのは、4月6日未明。
影響が出たのは、NEXCO中日本が管轄する東京・神奈川・山梨・静岡・愛知・岐阜・三重の1都6県にまたがる16路線、最大106か所の料金所に及びました。ETCレーンが使えなくなり、スマートICは全面閉鎖。渋滞も発生し、深夜や早朝の移動だった人には相当な混乱があったようです。
「連休中に東日本でも起きたら...」と、少し不安になり、ついニュースを注視してしまいました。
原因は、割引制度改定に伴うシステム更新作業中に、サーバのファイルが破損したこと。通行処理ができなくなり、ETCゲートが機能しなくなったということです。

復旧には約38時間(‼)を要しましたが、その間、NEXCO中日本は現場対応に全力を尽くしたとのこと。
ETCレーンを一時閉鎖し、一般レーンでの手動処理に切り替え、ICの流入制限、スタッフ増員、迂回案内など、現場では"人の力"で何とか安全と交通の流れを確保しようとする姿勢が印象に残りました。

このニュースを見て感じたのは、便利なものほど「止まらない前提」で成り立っているということです。
ETCもそうですし、私たちの仕事でもクラウドシステムやデジタル化された業務フローが当たり前になっています。

それでも、止まることはある。
今回は、類似の障害への備えがなされていなかったこともあり、現場では想定外の対応を迫られる場面が多かったようです。
"もしもの備え"をあらかじめしておくことの大切さが、改めて浮き彫りになったと感じました。

私たちエイデイケイ富士システムも、お客様に業務システムをご提供する立場として「止まらない運用」と「万が一止まってしまった際の迅速な復旧」の両立を常に意識しています。
営業として、お客様に寄り添い、安心して任せていただける存在でありたいと思っています。

そんなことを、ETCゲートを無事に通過しながら、ふと考えたゴールデンウイークでした。

<DXやデジタルに関するお問合せ先>
エイデイケイ富士システム株式会社 DXセンター
DX担当まで
Tel:018-838-1173
Mail:dx-lab@adf.co.jp

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