2025/06/05

【No.118】「秋田には何もない」の先にある、日本の未来地図を描くために──DXと実態調査の意味

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

MA
最近、わらび座の舞台「秋田には何もない」が話題になってるよね。
かわもと部長
ああ、知ってます。最初はネガティブなタイトルだなと思って、ちょっと引っかかってました。
MA
実は逆で、「何もない」のではなく、「いろいろあるのに、知られていない・気づかれていない」という明るい気づきの物語なんだよ。
真弓課長
へえ、意外ですね。「課題先進県」なんて言葉が飛び交う秋田だから、自虐的な内容かと思ってました。
MA
自分も秋田魁新報社で連載していた「あきたDX事始め」で、「課題先進県をアピールするのはやめよう」とポジティブに表現し直してきたんだよ(笑)。
かわもと部長
この話は、確か、秋田出身の内館牧子さんが書いた本で、それでも話題になってましたよね。
MA
そうそう。実際にわらび座の舞台も観てきたんだけど、秋田弁が強めで県外の人には難しい言葉も多かった。でも、それもまた秋田の魅力であり、強みと感じた。内容としては、本質的にとても前向きなストーリーだったよ。
真弓課長
でも、正直よく言われます。「秋田には何もない」「やっても無理」って。でも私は、技術を活用すれば、まだ変えられることはあると思ってるんです。
MA
本当にその通り。私が県内でDX支援や実態調査を続けている理由も、そこにある。実は「何もない」と言われる地域こそ、日本の未来を先に見ているということも言える。
真弓課長
とはいえ、地方の中小企業では、DXって言われても何から始めたらいいか分からない。人材も設備投資も限られていて、いつもそこがボトルネックになっています。調査でもその傾向が出ています。
MA
確かに。けれど、DXは高度なシステム導入だけを指すわけじゃないよね。課題の構造を捉え直し、「これまで通り」をアップデートする仕組みづくりがDXの本質。そして、それがどこで止まっているのかを明らかにするには、現場の実態調査が欠かせない。これは進めるにあたっての大前提だね。
真弓課長
私たちも、調査結果を見て「他の企業も同じことで悩んでるんだ」と気づけたのは大きかったです。生成AIの活用なんて、ほんの少し前までは誰も真剣に考えていませんでしたし。
MA
最近は、営業報告書の作成に生成AIを使っているという現場使いの話も聞くよね。その方向性は間違っていないと思う。
かわもと部長
あとは、東京や都市部のビジネスの進捗に合わせた指標ではなく、秋田の現場に即したKPIで測る必要がありますね。それを見つけ出すために、我々は年1回、定点調査を実施していますからね。今年で6回目です。
真弓課長
個人的には、単なるデジタル化ではなく、「人と業務の関係がどう変わるか」がもっと注目されてほしいです。ツールを入れただけでは何も変わりませんから。アナログとデジタルのいいとこどりが、地域に合ったDXだと思います。
かわもと部長
おっしゃる通り。だからこそ調査でも、「導入の有無」だけでなく、「業務プロセスはどう変わったか」「判断スピードは上がったか」など、変化の質を重視しています。これは経営層にも示唆になります。以前はコスト重視で考えていましたが、「成果の定義」そのものが時代に合っていなかったのかもしれません。
MA
まさにそこが、いま社会が変わろうとしている本質だね。人口減少という前提の変化の中で、「成長」から「最適化」や「幸福度」といったKPIへの転換が求められているかもね。だからこそ地方からそれに取り組む意義は大きいと思うね。
かわもと部長
やはり秋田って、課題の最前線にあると思います。ああ、言っちゃった(笑)。でも、人も制度もデジタルもギリギリだからこそ、新しいモデルを試せる余地がある。
真弓課長
そうか。「課題先進県」って、裏を返せば「未来の縮図」なんですね。
かわもと部長
だからこそ、秋田の実態を調査することは、日本の未来を考えることでもある。現実を直視し、変化を定量化し、そのうえで技術と制度を接続する。それが私たちの調査の目的です。・・少し熱いですが、本気でそう思ってます!


―【追記】―

真弓課長
ということで、第6回「秋田県内のIT/DX実態調査」を、今月下旬から予定しています。私たちも秋田デジタル利活用推進協会の事務局としてサポートしていますので、どんな結果が出るか楽しみです。詳細は別途ご案内予定です。今回の調査概要は以下の通り。なお、前回の調査結果は以下のリンクからご覧いただけます。

第6回 秋田県内におけるIT/DXの導入実態に関する調査

一般社団法人 秋田デジタル利活用推進協会(本部:秋田市、会長:齋藤和美)は、2025年6月より「第6回 秋田県内におけるIT/DXの導入実態に関する調査」を実施します。Webおよび郵送によって約400件の有効回答の回収を予定しています。本調査は、県内企業および自治体を対象に、最新のIT/DXの活用実態を明らかにし、会員や県内企業へフィードバックすることで、ITの有効活用と普及を目的としています。また、セミナー・講演・教育支援などを通じて、最新のIT/DX情報の共有と実践を促進していきます。

【ニュースリリース】「第5回秋田県内におけるIT/DXの導入実態に関する調査」調査結果 | 一般社団法人 秋田デジタル利活用推進協会

営業スタッフ徒然草

祝!DX認定

みなさん、こんにちは。
エイデイケイ富士システムの尾張谷です。

6月に入りました。1年のうち、祝日のような特別なお休みが無い6月です。のんびりしたGWが遠い過去のように思える今日このごろです。みなさん、がんばってジメジメする6月を乗り切りましょう!

今回のタイトル「祝!DX認定」ですが、これは弊社のことではございません。弊社は、2021年7月に東北で初めて「DX認定事業者」に選定されております。
では、なぜ?これは、弊社がDX認定取得をご支援させていただいていた企業様が、今年の2月と5月に無事に「DX認定」を取得したということなのです。1社は小売業、もう1社は製造業の企業様です。
これで秋田県では、12社DX認定を取得していることになりました。

では、改めて「DX認定」とは、情報処理推進機構(IPA)では以下のように定義しています。

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■DX認定とは
「デジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する制度です。認定事業者は「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態」とされ、自社をアピールしたり、公的な支援措置を受けることができます。」
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DX認定と聞くと「DXなんかまだまだ・・・」と思うかもしれませんが、"DX推進の準備が整っていると認められた企業"というところがポイントだと考えます。これから、DXを推し進めていこうとしている企業を認定する制度ですので、どんな企業でも取得可能です!
また、取得をすれば、いくつかの特典もついてきます。

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■特典
1:DX認定制度ロゴマークの使用
  これはロゴを使用することで、対外的にアピールすることが可能となります。弊社の名刺にも使用してます。

2:中小企業を対象とした金融支援措置
  これは、認定企業が設備投資等をする際には、特別な利率で融資を受けることが可能となります。

3:人材育成のための訓練に対する支援措置
  認定企業は人材育成の施策をする際に、一部助成を受けることができるようになります。

4:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の加点項目
  認定企業は補助金申請の際に、加点されるようになります。
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今回DX認定を受けた2社のうち、小売業の企業様に関しては私自身もDX認定の支援にかかわらせていただきました。

その支援の中で、DX認定を取得する際の大まかな流れの1つとして「DX戦略」の策定というのがあります。 この策定に一番時間がかかります。
このDX戦略は、その企業様の「経営理念/経営ビジョン」、そのビジョンを実現するための戦略、その戦略の効果を図るためのKPI、また戦略を実施するための社内体制、そういった項目を1つ1つ明確にしていきます。今回、私が担当した企業の社長様においては、このビジョンまた将来のあるべき姿が大変明確で確固たる信念を伺うことができました。よってその信念を基とし、将来のあるべき姿を目指すために解決すべき社内の問題点、また課題の洗い出しをスムーズに進めることができました。
結果的に、どんな戦略を立てるべきかの方向性も見出すことができ、DX戦略も納得のいくものを策定することができました。
その後は、認定のための書類をこのDX戦略をもとに作成し、申請して承認されれば、晴れて認定ということになります。

今回、このコラムで私が言いたいのは、「DX認定」を取りましょう!ではないのです。
もはや、DX実現を目指すということは、企業は存続していくためには必要不可欠とまで言われるようになってきた昨今。そんな状況においても、どこから手をつければいいのか。また、どんなことをすればDX実現へ向かっていけるのかと、困っている企業様も少なからずいるのではないでしょうか。
そんな企業様であるからこそ、この「DX戦略」を一度策定してみてはいかかですか?先ほども記載しておりますが、DX戦略策定する際は、経営ビジョンつまり将来どうなりたいか、そのビジョンを実現するにはどんな問題点、課題を解決すればいいのかを洗い出し、検討する必要があります。そういった活動の中から、DX実現のための戦略、実施体制などが少しずつ見えてくるはずです。
その活動の中で、ついでに「DX認定」まで取れれば、なお良いのではないでしょうか。実際、そうやって認定を取った企業様もいることは、前述したとおりです。

今、このコラムをお読みになっているみなさまの中でも、そのように困っている方がいるのであれば、ぜひ一度、お気軽に問い合わせいただければと思います。いままで蓄積したノウハウをもとに弊社メンバーが伴走してご支援できればと思っております。

本コラムの内容と全く関係ありませんが、先日、横手市にある近代美術館へ「古代エジプト美術館展」を見に行ってきました。展示されているものは、実際にエジプトで発掘された装飾品だったり、壁画、石碑だったりと数千年も前の貴重な展示物でした。さらに、ミイラを入れていた木棺と少女のミイラ(初めて見ました)も展示されており、大変興味深い経験をしたと思います。
先ほどより、散々デジタルに関することを話してきていましたが、エジプト展の展示物を見ることで、はるか太古の世界に思いを馳せるというのも、意外と新しい刺激となって良い体験をできたと感じました。興味のある方はぜひ、横手市の近代美術館へ足を運んでみてはいかかでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


<お問合せ先>
エイデイケイ富士システム株式会社 
DXソリューション部 DX営業担当
Tel:018-838-1173

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社

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