2025/09/04

【No.124】伴走支援の本質は何か、を考えよう

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

MA
おはよう。今日は少し厳しくいくよ。最近、誰もが「伴走支援」って言葉を使うけど、ちゃんと理解しているかな? 本来はユーザーに役立つ形で、最後まで一緒に走ること。でも、そこを外している例が多すぎるんだ。
かわもと部長
たしかに営業現場でもそう感じます。提案して契約して終わり、では伴走になりませんからね。
真弓課長
開発も同じです。システムを納めて「はい、終了」ではダメで、使いこなせるようになるまで伴走しないと意味がないですよね。
MA
その通り。まず伴走するためには、営業とか開発とか縦割りのポジションで、パートごとにばらばらにユーザーに対して部分最適ではうまくいかないことが多いようだ。
かわもと部長
まあ、事業部やら縦割りの組織ではありますよね。どこの会社でもまだそういうところが多いはずですね。
MA
なので、まず組織というか、各自の役割、職域を確認しようか。
自分は「マーケティング」担当だし、かわもと部長は「営業」担当、真弓課長は「開発」担当という3人がいるわけだけど、もう一度職域の違いを整理しておこう。
真弓課長
前にも教えてもらいましたね。復習させてください!
MA
マーケティングは「売れる仕組み」を考えてつくること。我々の営業は、企業や自治体に「提案して契約」を取ること。特にマーケティングと営業をごちゃ混ぜにすると、どちらも中途半端になるかもしれないからね。
かわもと部長
現場でも「営業=マーケティング」だと思われがちですが、本当は違うんですね。
MA
そう、営業は仕組みをつくる役割じゃない。マーケティングが築いた基盤の上で提案し、契約するのが営業だ。
真弓課長
では、開発はどこに位置づければいいですか?
MA
開発は「未来を形にする」役割だ。営業が拾った声、アナリストのデータ、コンサルの解決策を技術に落とし込む。単なるモノづくりではなく「成果を実現するためのものづくり」だ。そこを忘れると自己満足で終わってしまう。
かわもと部長
なるほど。AIやDXを「導入すること自体」が目的化してしまうのは、その辺りの混乱が原因なんですね。
MA
その通り。AIを入れることがゴールじゃない。「便利になった」「負担が減った」とユーザーが実感してこそ成果だ。導入ありきでは、ただのモノの押し売りだね。
真弓課長
開発でも、最新技術を追いかけるあまり、利用者視点を忘れてしまうことがありますね。
MA
そう。技術は目的ではなく手段。どう役立つかを考え抜いてこそ価値がある。開発担当がそこを外したら、DXはただの掛け声で終わってしまう。
真弓課長
ついでに、さきほど出てきたアナリストとコンサル(コンサルタント)の違いも整理していただけますか?
MA
いい質問だ。アナリストはデータを分析し、現状を見える化する。コンサルはその分析をもとに解決策を示す。よく混同されるが役割は違う。ちなみに、リサーチャー(市場データを集める人)とアナリストは親和性が高い。その全体を包括するのがマーケティングの領域だ。
かわもと部長
なるほど。マーケティングは領域が非常に広いし、重要なことが分かりました。営業は、その橋渡し役になるということですね。顧客の声を集め、リサーチャーやアナリスト、コンサルに渡すという手順を踏むことが一般的なんですね。
MA
そう、だから営業は、契約して「はい、終了」ではいけない。顧客の声を未来につなげる、それが伴走者としての責任なんだ。
真弓課長
そして、開発は、その未来像を技術で形にする。ということで、ようやく役割のつながりが見えてきました。
MA
いいね。役割を再認識すれば、ユーザーにとって「役立つかどうか」だけがすべてだということが分かる。そして忘れてはいけないのは、世界情勢や温暖化など、先が読みにくい時代だということ。ユーザーは短期的な便利さではなく、長期的に続けられる仕組みを求めている。DXやAIはそのための力強い道具なんだ。
かわもと部長
営業にとっては「この会社となら未来を歩んでいける」と思ってもらう必要があるわけですね。
真弓課長
開発も「納品で終わり」ではなく、改善を重ねながら未来を支える姿勢が欠かせませんね。
MA
その通り。それこそが伴走だ。肩書や技術は手段に過ぎない。役立ちこそが本質だ。最後に大事なことを言っておこう。生成AIについてだ。もう「活用を検討する」段階は終わっている。これからは「どう生かすか」という視点が必要だ。ユーザーに対して、AIをどう組み込めば成果につながるか、どう使えば強みになるか。そこに踏み込んだ提案が求められている。検討レベルにとどまっていたら、世界に置いていかれるぞ。
真弓課長
うわー! 本当ですね。
MA
ちょうど2025年の秋田県内調査でも、それを裏づける結果が出ていた。多くの企業が「検討から活用」へ進んできているが、成果を出しているのはまだ一部だ。詳細は次回紹介するが、はっきりしているのは、「どう生かすか」を示せるかどうかで大きな差が生まれるということだ。調査結果はその現実を物語っていたよ。(※)
かわもと部長
営業としては、顧客に寄り添い、信頼を積み重ね、AIも含めた提案を成果につなげる。これが私の伴走の形だと理解しました。
真弓課長
開発としては、AIやDXを単なる技術ではなく、顧客が安心して使い続けられる仕組みに落とし込む。未来を形にする、それが私の伴走ですね。
MA
そして私はマーケティングアドバイザーとして、仕組みと方向性を示し、ユーザーが迷わないよう導く。特に生成AIの時代に入りつつある今は「どう生かすか」を提案する責任がある。これが私の伴走だ、と言えるね。
かわもと部長 & 真弓課長
縦割りの職域をこえて、ユーザーへの役立ちこそが伴走だ!

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(※)「第6回秋田県内におけるIT/DXの導入実態に関する調査」の結果は2025年8月20日同協会のホームページでニュースリリースが公開されました。
     https://rpa-akita.jp/notice/info_20250820/

営業スタッフ徒然草

愛は勝つ

アウトドア派の榊田です。
今年は(も?)熱い(暑い)夏!・・・でもこのコラムが公開される頃は涼しく?なってるかもしれない9月です。

夏といえば、海に山とお祭りです、私の場合は"海"がちょっと出番が少なくて・・・
今年の夏は、久々ですが北アルプスに出かけてきました。幸運にも昨年に引き続き天気に恵まれました。
山といえば・・・登山は楽しいですが気を付けなければいけないものに、遭難と熊対策があります。

1.遭難対策は登山届から
夏休みや冬休み期間は、登山の遭難者のことがよくニュースになります。
自分の体力や技量に見合った登山を心がけるとともに、備えとして登山届を行います。登山口には登山届のポストもありますがスマホで提出も可能となっています。
先日、秋田県知事、県警とYAMAP(スマホアプリ)が協定を組んだとニュースになりました。YAMAPは登山届だけでなくGPS連動で自分がどこを歩いているか、計画とどれくらいの差異があるかを確認できます。 また遭難しても自分の位置や救助箇所の特定に役立ち、早期な救助が可能になります。

(参考)
■登山届、スマホで完結 秋田県および秋田県警察と協定締結
https://corporate.yamap.co.jp/news/10KccmwV
※リンク先:株式会社ヤマップ様公式サイト


2.熊対策は知ることと備え
秋田県は熊の先進県?かもしれません。前知事はかなり強烈なことをおっしゃってましたね。
「(苦情に対しては県職員の)業務の妨害になる」「住所を送ってくれたら熊を送ってやる」等々。
私は今年県内を移動中に道路沿いで熊を何回か見かけています。歩道の隣の茂みからひょこり出てきます。 あれでは散歩中やランニング中の方も危ないですね、熊は人を追いかけますから。
県内では「クマダス」に、クマを見かけた人が情報を登録し公開されていますが、実際の目撃情報ははるかに多いのでは?と思います。
でもまずは行先の状況確認と熊鈴や熊撃退スプレー(ちょっと無理?)を準備して出かけましょう!平地でも?

(参考)
■「ツキノワグマ等情報マップシステム【クマダス】」(秋田県)
https://kumadas.net/
※リンク先:クマダス公式サイト
※クマダスは秋田県版ですが、登山者用に熊出没情報をまとめたYAMAP・→・KUMAP!欲しいですね!


3.さて夏といえばお祭り・・・花火!大曲の花火!
今年の花火大会では、花火が打ち上らず地面で開いて火事になり花火大会が中止になるなど事故も起きてます。 このコラムが公開される直前、8月30日(土)は、"第97回全国花火競技大会 大曲の花火"がありました。
最近は夜の花火前にドローンショーが行われます。今まではキャラクターものが中心でしたが 今年は・・・スポンサーはオロナミンC、"元気はつらつ~"とアナウンスがあると来場者全員で"オロナミンC!"。
会場が盛り上がると流れたのは一昨年亡くなったKANさんの代表曲〝愛は勝つ"、音符はオロナミンCの瓶、歌詞もカラオケのように歌う箇所を指示してくれて会場一体での大空大合唱! 新しい形のドローンショー、夏の終わりに爽やかな時間、心にしみる歌詞でした。

(参考)
■ドローンショー 株式会社レッドクリフ(社長さんは秋田県出身)
https://redcliff-inc.co.jp/
※リンク先:株式会社レッドクリフ様公式サイト
(ドローンの数は1300台)

おしまいに
大曲の花火では、大会最後は毎年尺玉30連発、秋田出身の津雲優さんが歌う"いざないの街"に合わせて。
途中から秋田県民歌になる歌です、県民はみんな大合唱!になりますね。県民歌はスポーツの試合開始前 にも歌われていて、気分が盛り上がっていきます。
花火で歌う県民歌は、夏の思い出に浸り、それぞれの思いを込めて!
 ♪秀麗無比なる鳥海山よ~ 狂蘭吼え立つ男鹿半島よ~

(参考)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E7%94%B0%E7%9C%8C%E6%B0%91%E6%AD%8C

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社

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