※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE
MA
おはよう、二人とも。今日は先日、秋田デジタル利活用推進協会が公表した「第6回秋田県企業調査」のDXに関する結果を材料に話を進めたいと思う。毎年のことだけど、今回もいろいろと考えさせられる数字が出たよ。
かわもと部長
おはようございます。見ましたよ、あの調査結果。DXの認知度が9割を超えたっていうのは驚きました。県内の企業でも「DXって何?」というレベルは、もうほとんどなくなったんですね。
真弓課長
そうですね。「よく知っている」が35.7%、「関心がある」が38.8%、「知っている」も含めると合計91.3%。ここまで来ると、DX自体はもう当たり前の言葉になっている。でも問題は、実際に踏み出しているかどうかですよね。
MA
まさにそこ。取り組んでいる企業は全体の59.8%。過半数にはなったけど、「全社的に取り組んでいる」のは17.9%にとどまる。「一部の部署や事業で取り組んでいる」が41.9%。要するに、関心は高いけれど本格的に進められているかというと、まだまだ限定的なんだ。
かわもと部長
でも効果を見てみると、「業務効率化」が88.8%と圧倒的に評価されているじゃないですか。やれば効果があるのに、なぜ全社的に広がらないんですかね。
真弓課長
そこにこそ「課題」があるんだと思いますよ。経営層が主導して進めている企業は38.1%と大幅に増えている一方で、人材や費用の問題に直面すると腰が引けてしまう。実際、取り組まない理由のトップは「人材不足」(42.0%)。次に「よく分からないから検討していない」(30.7%)、「費用がかかる」(26.1%)。つまり、わかっているけど、動けない。
MA
教育やサポートの不足もあるな。今後の進め方について「勉強会やセミナーに参加したい」が25%、「教育機会があれば社員を参加させたい」が38.3%。しかも「県や自治体から補助があれば参加したい」が46.7%。この数字はかなり重い意味を持っている。企業単独では負担できないから、外部の支援を求めているんだ。
かわもと部長
確かに。「自分たちだけでは無理。でもサポートがあればやりたい」という声ですよね。商談の現場でも感じますよ。「AI活用に興味はあるけど、うちには人もいないし、予算もない」っていう相談は本当に多いです。
真弓課長
技術的な関心は高いんですよ。「データ利活用」(46.4%)、「クラウド移行」(45.9%)、「AI活用」(36.2%)。サービスレベルでは「業務へのAI活用」(26.7%)、「業務自動化」(22.6%)、「文書電子化」(20.5%)。やりたいことは明確。でも、それを現場でどう実現するかの設計図が描けない。これが実態じゃないですか。
MA
だから、外部の伴走支援が重要なんだよな。調査では「支援パートナーがいない」と答えた企業が52.6%。でも「条件次第で希望する」39.8%、「強く希望する」9.7%を合わせると、約半数が外部の支援を欲している。ここが次の突破口になる。
かわもと部長
でも、伴走支援って具体的にどうあるべきなんでしょうね?ただ「IT導入を教えますよ」じゃなくて、経営と現場の両方に寄り添わないと意味がない。うちの営業でも「AI導入の提案」をすると、お客さんから「じゃあ、誰がそれを回すの?」って聞かれて詰まることがあります。
真弓課長
そこは教育と仕組み作りがセットでないと。単にAIを導入したって、人が使いこなせなければ宝の持ち腐れ。教育機会を提供することと、同時に「どういう小さな一歩から始めればいいのか」を示すことが必要ですね。
MA
いい指摘だね。秋田の企業の場合、きっかけづくりが最大のテーマなんだと思う。「よし、DXをやろう」と経営トップが宣言しても、現場は不安になる。「何から始めればいいか分からない」「誰が担当するのか」。だからこそ、まずは小さな成功体験をつくる。それが文書電子化でも、ちょっとした業務自動化でもいい。小さな一歩が全社的な動きにつながるんだ。
かわもと部長
なるほど。最初の一歩を一緒に設計してあげるのが伴走支援の役割、ってことですね。
真弓課長
しかも、それが単発で終わらないように「次のステップ」を見せることも大事。文書電子化の次に、データ利活用やクラウド移行へ。そうやってロードマップを描ければ、企業側も安心して前に進めると思います。
MA
結局、人か、お金か、教育か、と問われれば、全部がつながっている。人がいないから教育が必要。教育を進めるにはコストがかかる。だから公的支援が期待される。そして、それを現実に落とし込むには伴走するパートナーが必要。秋田のDXがなかなか進まない背景には、この「三重苦」があるんだよね。実際は秋田が特別に問題ありってわけではないことは、わかるよね。全国でも同じ状況にあるんだよね。
かわもと部長
そうですね、だけど逆に言えば、支援の仕組みを整えれば一気に進む可能性もあるってことですよね。
真弓課長
その通りですね。県や自治体の後押し、企業の小さな成功体験、そして外部の伴走支援。この三つが揃えば、秋田のDXも「認知から実行」へ大きく踏み出せるんじゃないかと思います。
MA
まさにそれが今回の調査から見えたメッセージだろうな。期待はある。でもまだ本当に踏み出せていない。その理由ははっきりしている。あとは我々がどう動くかだ。秋田にとってのDXは、まだ「これから」の物語なんだよ。
---編集後記---
真弓課長
まさに「人か、お金か、教育か」。この三すくみが、企業が大きく前進するうえでの足かせになっていますね。将来のビジョンももちろん大事ですが、今日や明日のキャッシュフローが最優先という現実もよくわかります。ただ、その忙しさに押されて考える余裕がなく、立ち止まってしまう企業に対しては、私たちがしっかりサポートしなければ、と強く感じました。
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※調査の詳細については下記の一般社団法人秋田デジタル利活用推進協会のリンクで参照してください。
【ニュースリリース】「第6回秋田県内におけるIT/DXの導入実態に関する調査」調査結果 | 一般社団法人 秋田デジタル利活用推進協会
営業スタッフ徒然草
寄り添うから、一歩先へ ~ADF42期のスタートを迎えて~
皆さん、こんにちは。川本です。
エイデイケイ富士システムは、この10月から42期目を迎えました。
私自身も入社してから、気づけば30年近くが経とうとしています。
その間に、業務の進め方も、使う道具も、大きく変わってきました。
紙の設計書やホワイトボードでの工程管理があたりまえだった時代から、今ではクラウド、AI、そして「DX」といった言葉が日常的に使われるようになりました。
ただ、その中で改めて思うのは、「誰のために、何をどう変えるか」という視点だけは、昔から変わっていないということです。
ADFがこれまでお客様と取り組んできたのは、まさにその「何をどう変えるか」を一緒に考えることでした。
その姿勢は、この先も変わりません。
先日、秋田大学の景山研究室の皆さんと、情報システム研究会でご一緒する機会がありました。
学生の皆さんの研究発表は、どれもデータに基づいた実証的なアプローチが印象的で、社会課題にも真剣に向き合っていました。
ただ一方で、実際の業務現場に適用するには、実用化の面での"もう一歩"が必要だとも感じました。
つまり、学術的な知見やアイデアと、仕組みの"橋渡し役"がまだまだ必要なんだと。
ADFはまさにその「橋渡し」を担う立場として、これからもっと価値を出せると確信しました。
私たちが向き合ってきた現場では、今も紙の帳票やホワイトボード、口頭での引き継ぎが主流です。
それは、非効率だから変えるべき――という話ではありません。
「その会社なりの工夫」や「そこにしかない知恵」が積み重なっている大切な文化です。
私たちが目指すのは、そうした"あたりまえ"を壊すことではなく、未来につなぐこと。
まずは少しExcel化してみる、1つの帳票だけ電子化してみる。
無理のないステップで、お客様の歩幅に合わせて引っ張っていく。
それがADFのやり方です。
この姿勢をさらに強く形にするために、私はこのたび「DX認定サポーター」となりました。
これは、ITコーディネータ協会が実施する制度で、DXを進めたい企業を、制度面・実行面の両方から支援できる専門人材として認定されるものです。
単に「ツールを入れて終わり」ではなく、「会社の未来像を描いて、そこへ向かう導線をつくる」こと。
ADFがこれから担うのは、そういう"牽引する立場のDX支援"です。
DXというと、すごく大きな変革のように聞こえます。
でも私たちが取り組んでいるのは、「この会社らしく、これからも続けられる働き方をつくること」です。
現場の視点を持ちつつ、制度と技術の側面からリードしていく。
42期のADFは、ただ寄り添うだけでなく、"一歩先へと引っ張る存在"として、お客様とともに、"その会社らしい未来"を描いていきたいと思います。
どうぞ今期も、よろしくお願いいたします。
<DXに関するご相談先>
DXセンター DX担当までお申し付けください。
TEL:018-838-1173
Email: dx-lab@adf.co.jp
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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社
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