2025/11/13

【No.129】― 調査結果から見る「秋田DXの現在地」と2026年に向けた実効策 ―

※MA:マーケティングアドバイザー かわもと部長:次代のホープとされる今風の営業部長
真弓課長:企画部のやり手マネージャー兼SE

---「今回の会話のポイント」---

県内企業の景況感は6月に実施した一般社団法人秋田デジタル利活用推進協会の県内調査結果の総括だ。「横ばいながらも前進の兆し」。クラウドや生成AIの活用が急速に進み、DXの導入率も半数を超えた。だがその一方で、人材確保や定着への課題も浮き彫りになっている。今回は、調査結果をもとに、秋田のDXを「成果へと結びつける」ための次の一手を3人で語り合った。
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MA
ようやく移転作業も一段落して、新しい環境での第一歩という感じの「あきたDX通信・大町だより」的な今回号かな(笑)。
ともあれ、新政権の船出に一定の期待感がある一方で、国内外ともに落ち着かない状況が続いている。なんだか騒がしい世の中だけれど、まずは身近なところでの「確認」と「反省」、そして「目標」を見つめ直してみよう。
MA
8月に公表した「2025年版 秋田県内のIT/DX実態調査」は、やはり象徴的な結果だった。景況感としては「横ばいから、やや上向き」といったところ。数字を通じて、県内全体の空気感がよく表れていると思う。
かわもと部長
「売上が大幅に上がった」が2.1%、「少し上がった」が25.8%。合わせて27.9%で、昨年よりは若干上昇ですけど、手応えはまだ限定的ですね。「3年後に好転・やや好転」と見ている企業が31.5%というのも、慎重な構えを感じます。
真弓課長
確かに。秋田の企業は県外需要に左右される部分が大きいですからね。国内外の市況変化がすぐに波及するわけじゃないけど、時間差で影響が出てくる。円安や物価高もじわじわ効いてきそうですし、先行きはやっぱり「不確実」ですね。
MA
不確実性は、むしろチャンスでもあると思う。こういう時期こそ、デジタルの力を活かせる企業が伸びる。
今回の調査を見る限り、クラウドや生成AIの浸透スピードは明らかに速い。すでにコミュニケーションツールは7割の企業が活用、業務系クラウドも会計・販売・人事など幅広く広がっている。DX導入は5割超、生成AIは9割が認知、4割が実際に活用。かなりの進展だね。
かわもと部長
現場でも、AIへの関心は高いですよ。「使ってみた」「触ってみた」という企業がすごく多い。ただ、そこから先、業務に定着させる段階で止まってしまうケースも多いんです。
真弓課長
ええ。生成AIは便利なんですけど、使い方を誤ると逆に混乱を招くこともあります。「セキュリティが心配」「どの業務に使えばいいかわからない」って声も多い。結局、導入よりも伴走が重要ですよね。
MA
そう思う。「ツールを入れること」ではなくて、「業務を変えること」そのものをどう設計するかを支援することが我々の役割だね。
DXは「デジタル化」じゃなくて「トランスフォーメーション」だという本質を、まだ多くの企業がつかみきれていない。われわれがそこをリードする立場だと思うね。
かわもと部長
たしかに。そしてDXを進めている企業ほど「人材」で悩んでいます。今回の調査でも、「DX人材の確保・教育に課題を感じる」が目立ってましたね。内部で育てるか、外部と組むか、判断が難しいんですよ。
真弓課長
内部育成には時間がかかりますし、外部委託だけだとノウハウが残らない。だからこそ、「ハイブリッド型」の体制、外部の専門家と内部担当者を組み合わせる仕組み、が現実的ですよね。実際に成果が出ている企業も出てきています。
MA
そこは非常に重要だね。われわれも来年に向けて、「ハイブリッドDX推進モデル」をしっかり打ち出すべきだと思う。たとえば、

1. 外部専門家による戦略・設計支援
2. 内部人材による実装・運用
3. 双方による継続的なレビュー・改善

MA
この三層を組み合わせることで、組織としてDXを「止めない」仕組みをつくる。それが一番現実的だと思うね。
かわもと部長
なるほど。特に中小企業では「まずはやってみる」ことが大事ですもんね。「クラウド+生成AI」での小さな成功体験を積み重ねること。たとえば、社内報の作成や見積書の自動化など、成果が見えやすい部分から始めるのがいい。その辺はすでに実行してところが増えてきてますから。
真弓課長
AIも「文章を作るだけ」じゃなく、会議記録の整理特に議事録作成とか、FAQ自動生成、ナレッジ共有など、業務の下支えに使える場面が多いです。そういう地味だけど効く部分が、実は企業の生産性を左右しているんですよね。
MA
まさにその通りだね。AIはもう「便利なツール」じゃない。「業務インフラ」の一部になりつつある。2026年は、DXの「成果を出す年」にする必要があると思う。ツール導入で終わらせず、データと仕組みで事業を変える。そして、その実装を支援するのが、われわれの役割だね。
かわもと部長
これからは「生成AI活用実例セミナー」とか「業務DXワークショップ」みたいな形で、成果を共有する場をもっともっと作っていきたいです。実際の声を拾って、次の提案につなげたい。
MA
まとめると、秋田のDXは「普及」から「実装」へとフェーズが変わったと思う。2025年は基盤整備の年。2026年は、それを「成果に変える年」だね。支援側も、導入から成果創出へと一段ギアを上げる。経済の不確実性が続く中でも、デジタルを使って自分たちの道を描ける企業が生き残る。われわれはその道筋を示していく立場にあると思うよ。

---編集後記---

真弓課長
うちの技術チームも、県内の企業、自治体、大学と一緒に「AI連携実証」を今からもっと増やしたい。成功例を積み重ねて、秋田全体の底上げにつなげたい!と、移転とともに強く思いました。

営業スタッフ徒然草

引っ越しで気づいた紙文化の重さと、デジタル化の一歩

みなさん、こんにちは。エイデイケイ富士システムの中野です。

このたび、秋田市内に分かれていた手形地区の「DXセンター」と七曲工業団地の「七曲開発センター」を一つにまとめ、11月10日(月)から秋田市大町で新たに「DXセンター」としてスタートを切りました。
今回は、その引っ越し準備で感じたことを、少し書いてみたいと思います。

■引っ越し準備で見つけた過去の紙文化
移転準備を進める中で、過去の紙書類の整理に追われました。契約書、稟議書、押印済みの文書...等。
保管が必要なものと処分できるもの、その仕分けだけでも手間がかかります。
段ボールに詰めても詰めても終わらない紙の山を前に、「紙書類って、こんなに重いんだ」と、物理的な重さだけでなく、業務の負担としての重さを感じました。

さらに、紙書類は場所も取ります。
以前は過去の紙書類が営業倉庫のキャビネットや棚を占領し、スペースを圧迫していました。
今回の移転を機に、過去の不要な書類を整理・処分し、スペースを確保しましたが、この作業には多くの時間と労力が必要でした。オフィスの広さは限られているので、紙のためにスペースを確保し続けるのは、やはり効率的とは言えないと感じます。

■電子化・ペーパーレス化の価値を再認識
引っ越しはそう頻繁にあるものではありませんが、いざそのタイミングになると、普段は気づきにくい紙書類の負担が一気に表に出てきます。紙は情報を残すために大切な存在ですが、保管や管理、移動には手間がかかります。
今回の移転作業を通じて、電子化・ペーパーレス化のメリットを強く再認識しました。

電子化・ペーパーレス化することで、紙は運ぶ必要がなく、検索や共有も簡単。業務のスピードも上がります。
さらに、クラウドで管理していれば、災害や緊急時にも安心してデータを守れます。
こうしたメリットを考えると、紙文化からの脱却は単なる効率化ではなく、働き方そのものを変える大きな一歩だと思います。

■まとめ
今回の経験は、デジタル化の価値を改めて実感するきっかけになりました。
ペーパーレス化は引っ越しを楽にするだけでなく、日常業務を軽くし、将来の変化にも柔軟に対応できる体制をつくります。
「まだ紙で保管している」「電子化をどう進めたらいいかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お客様と一緒に、働き方をもっとスマートに変えていけたらと思います。

ということで、新事業所に移転し、新たなDXセンターでの活動がスタートしました。
新しいオフィスは広くて明るく、空間の広がりや雰囲気の変化に、ちょっとしたわくわく感があります。
今回の移転で、これまで別々の場所で働いていたメンバーが同じ空間で過ごすようになりました。 まだ始まったばかりですが、これからどんなやりとり・動きが生まれていくのか、楽しみが広がります。
新しい環境の中で得られる、気づきや発見を大切にしながら、これからの業務に取り組んでいきたいと思います。


<DXに関するお問い合わせ>
 エイデイケイ富士システム株式会社
 DXセンター DX担当まで
 Email:dx-lab@adf.co.jp

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 伊藤真弓 澤田亜弓 /// 主幹:五十嵐健 /// エイデイケイ富士システム株式会社

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